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看護師が教える!食欲がない時でも食べられる食事メニュー15選【体調不良・夏バテ対策】

看護師が教える!食欲がない時でも食べられる食事メニュー15選【体調不良・夏バテ対策】

「食欲がないけど、何か食べないと…」そんな時、ありますよね。

体調不良、夏バテ、ストレス、疲労…理由はさまざまですが、食べないと体力が回復しないのも事実。でも無理して食べると気持ち悪くなってしまう。

私は看護師として10年以上病棟で働いてきましたが、患者さんの「食べられない」という訴えは本当によく聞きます。そんな時、どんな食事なら受け入れられるのか?どうやって少しずつ体力を戻していくのか?

この記事では、現場で学んだ「食欲がない時の食事の選び方」と「実際に食べやすいメニュー15選」を紹介します。自分や家族が食欲不振の時に、ぜひ参考にしてください。

注意:この記事は一般的な健康情報です。症状が続く場合や激しい痛み・嘔吐がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

食欲がない時、なぜ「食べること」が大切なのか

食欲がないからといって何も食べないでいると、体はどんどんエネルギー不足になります。

体力低下と免疫力の関係

食事から得られる栄養素は、免疫細胞を作る材料であり、体温を維持するエネルギー源でもあります。特にタンパク質やビタミン、ミネラルが不足すると、回復が遅れてしまいます。

病棟で看ていると、風邪や胃腸炎で入院された患者さんも、最初の数日間はほとんど食べられません。でも、少しずつでも口にすることで、明らかに表情が変わり、回復のスピードが上がるんです。

食欲ないけど、食べないと治らないのも分かってる…でも何を食べればいいか分からない

そうなんです。だからこそ、「何を」「どう食べるか」が重要になってきます。

脱水症状のリスク

食欲不振の時、意外と見落とされがちなのが水分不足です。

食事から摂取できる水分量は、実は1日あたり約1リットル。食べないということは、それだけ水分も不足するということ。特に夏場や発熱時は、脱水のリスクが高まります。

看護師として患者さんを診る時、「尿の色」や「唇の乾き」「皮膚の張り」をチェックするのですが、食欲不振で入院される方の多くが、軽度の脱水状態にあります。

食欲がない原因別:注意すべきポイント

一口に「食欲がない」といっても、原因によって対処法は変わります。

風邪・発熱の場合

発熱時は体がエネルギーを大量に消費しています。無理に固形物を食べる必要はありませんが、水分と糖質の補給は必須です。

  • おかゆ、うどん、ゼリーなど消化に良いもの
  • 経口補水液やスポーツドリンクで電解質補給
  • 冷たすぎるものは胃腸に負担がかかるので常温〜ぬるめがベター

胃腸炎・吐き気がある場合

嘔吐や下痢がある時は、胃腸を休めることが最優先です。無理に食べると症状が悪化することも。

  • まずは水分補給から(少量ずつ、こまめに)
  • 吐き気が落ち着いてから、重湯やスープの上澄みから始める
  • 脂っこいもの、刺激物は避ける
看護師のワンポイントアドバイス

吐き気がある時は、一度に飲む量を減らして「ちびちび飲み」を意識しましょう。コップ1杯を一気に飲むより、スプーン1杯ずつ5分おきに飲む方が胃に優しいです。

夏バテ・疲労の場合

暑さで食欲が落ちている時は、さっぱりしたもの・冷たいものが食べやすくなります。ただし、冷たいものばかりだと胃腸の働きが弱まるので注意が必要です。

  • 酸味のあるもの(梅干し、レモン、酢の物)で食欲増進
  • 香味野菜(しょうが、みょうが、大葉)で胃を刺激
  • ビタミンB群を意識的に摂る(豚肉、納豆、卵)

ストレス・精神的な理由の場合

ストレスが原因の食欲不振は、実は看護師自身もよく経験します。夜勤明けや忙しい時期、精神的に疲れると食事が喉を通らなくなることも。

この場合、「食べなきゃ」というプレッシャーが逆効果になることがあります。好きなものを少量だけ、リラックスできる環境で食べることを優先しましょう。

食欲がない時に選ぶべき食事の3つの条件

病院での食事指導や、実際に患者さんの反応を見ていて気づいたことがあります。食欲不振の時に「食べやすい」と感じる食事には、共通点があるんです。

①消化に良いこと

胃腸に負担をかけない食事が基本です。

  • 脂質が少ない
  • 食物繊維が控えめ
  • やわらかく調理されている
  • 常温〜温かい温度帯

②水分が多く含まれていること

食欲がない時は、固形物よりも流動食に近いものの方が受け入れやすくなります。

おかゆ、スープ、煮込みうどんなど、水分を多く含む食事は、同時に水分補給もできるので一石二鳥です。

③少量でも栄養価が高いこと

たくさん食べられない分、一口の栄養密度を高めることが重要。

  • 卵(タンパク質・ビタミン・ミネラルが豊富)
  • 豆腐(消化吸収が良く、タンパク質が摂れる)
  • バナナ(エネルギー補給と電解質バランス)
  • ヨーグルト(タンパク質と乳酸菌)

看護師が勧める!食欲がない時の食事メニュー15選

ここからは、実際に病棟でも提供されている回復食や、私自身が体調不良の時に助けられたメニューを紹介します。

【主食編】エネルギー源を確保する

1. おかゆ(梅干し・卵入り)

食欲不振時の定番。水分が多く、消化に良い。梅干しの酸味が食欲を刺激し、卵を加えることでタンパク質も補給できます。

看護師のワンポイントアドバイス

おかゆは「全粥→七分粥→五分粥→三分粥」と水分量で段階があります。食欲に応じて調整しましょう。最初は三分粥(米1:水20)から始めるのがおすすめです。

2. 煮込みうどん

やわらかく煮たうどんは、喉越しが良く食べやすい。卵や豆腐、鶏ささみを加えれば栄養価もアップします。

3. 雑炊

おかゆより味にバリエーションがつけやすく、飽きにくいのがメリット。野菜や魚を入れることで、ビタミンやミネラルも摂取できます。

4. 茶碗蒸し

やわらかく、飲み込みやすい。卵のタンパク質が摂れて、温かいので胃にも優しい。病院食でも人気のメニューです。

【タンパク質編】体力回復に必須

5. 豆腐(冷奴・湯豆腐)

消化が良く、良質なタンパク質が摂れる。冷奴なら火を使わずに準備できるので、調理する気力がない時にも便利です。

6. 温泉卵・半熟卵

完全栄養食品とも言われる卵。半熟状態が最も消化に良いとされています。そのまま食べても、おかゆに乗せても。

7. 鶏ささみの蒸し物

高タンパク・低脂質で、消化に優しい。ポン酢や梅肉で味付けすると、さっぱりして食べやすくなります。

8. 白身魚の煮付け

タラやカレイなどの白身魚は脂質が少なく、やわらかい。薄味で煮込めば、胃腸への負担も少なくなります。

【スープ・汁物編】水分と栄養を同時に

9. 野菜スープ

キャベツ、にんじん、玉ねぎなどをやわらかく煮込んだスープ。ビタミン・ミネラルが溶け出したスープは、栄養補給に最適です。

10. 味噌汁(具少なめ)

発酵食品である味噌は、腸内環境を整える効果も。豆腐やわかめなど、消化に良い具材を選びましょう。

11. コンソメスープ

さっぱりした味わいで、食欲がない時でも飲みやすい。溶き卵を加えれば、タンパク質も補給できます。

固形物が喉を通らない時、スープだけでも栄養になるんだ…!

【その他・補助食編】食事の補完に

12. ヨーグルト

冷たく、喉越しが良い。乳酸菌が腸内環境を整え、タンパク質も摂取できます。はちみつやバナナを加えると、エネルギー補給にもなります。

13. バナナ

消化が良く、エネルギーに変わりやすい。カリウムも豊富で、電解質バランスを整えるのにも役立ちます。

14. ゼリー(果物・栄養補助)

市販の栄養補助ゼリーは、少量でビタミン・ミネラル・エネルギーが摂取できる優れもの。病院でもよく使用されています。

15. 経口補水液・スポーツドリンク

食事が全く摂れない時は、まずこれから。電解質とエネルギーを補給し、脱水を防ぎます。

看護師のワンポイントアドバイス

経口補水液は「飲む点滴」とも言われます。下痢や嘔吐がある時、発熱時には特に有効。ただし糖分が多いので、一度に大量に飲むのではなく、少しずつ飲むのがコツです。

食欲がない時の「食べ方」のコツ

何を食べるかと同じくらい、「どう食べるか」も重要です。

少量ずつ、回数を増やす

一度にたくさん食べようとすると、胃が受け付けません。「一口でも食べられたらOK」くらいの気持ちで、1日5〜6回に分けて少しずつ食べましょう。

病棟でも、食事が進まない患者さんには「3時間おきに少量ずつ」を勧めています。

温度に気をつける

熱すぎるもの、冷たすぎるものは胃腸を刺激します。常温〜人肌程度が最も負担が少ないです。

無理をしない

「食べなきゃ」というプレッシャーは、かえって食欲を奪います。食べられない時は無理せず、水分だけでもしっかり摂ることを優先しましょう。

私自身、夜勤明けで胃が受け付けない時は、バナナ1本とヨーグルトだけで済ませることもあります。それでも、何も食べないよりはずっと体が楽になるんです。

好きなものを優先する

栄養バランスも大事ですが、まずは「食べられるもの」を食べることが最優先

ゼリーでも、アイスでも、食べられるなら食べてください。体が欲するものは、意外と体が必要としているものだったりします。

こんな症状があったらすぐ病院へ

食欲不振が続く場合、背景に病気が隠れていることもあります。以下の症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

  • 1週間以上食欲が戻らない
  • 体重が急激に減少している
  • 激しい腹痛や嘔吐がある
  • 血便・黒い便が出る
  • 高熱が続く
  • 水分も受け付けない
  • 意識がもうろうとする
特に高齢者や小さなお子さんは、脱水症状が急速に進行することがあります。尿の量が減った、唇が乾いている、皮膚の張りがないなどの症状が見られたら、すぐに受診しましょう。

看護師が実践している「食欲がない時の工夫」

最後に、私が夜勤明けや体調不良の時に実際にやっている工夫を紹介します。

冷凍おかゆを常備する

体調が悪い時に料理をする気力はありません。だから、元気な時におかゆを作って冷凍しておきます。レンジで温めるだけで食べられるので、本当に助かります。

栄養補助食品を備蓄する

ゼリー飲料、栄養ドリンク、経口補水液などを常備しておくと安心。特に一人暮らしの看護師仲間には強くおすすめしています。

香りで食欲を刺激する

しょうがやレモン、大葉などの香味野菜は、嗅覚を刺激して食欲を引き出す効果があります。おかゆに少し加えるだけでも違います。

環境を整える

食事をする場所を清潔に保ち、リラックスできる環境を作る。テレビを消して、静かな環境で食べることで、消化にも良い影響があります。

まとめ:食欲がない時は「無理せず・少しずつ・消化に良いもの」

食欲がない時、無理に食べようとする必要はありません。でも、まったく何も口にしないのは、回復を遅らせる原因になります。

この記事のポイントをおさらいします:

  • 食欲がなくても、水分補給だけは必ず行う
  • 消化に良く、水分を多く含む食事を選ぶ
  • 少量ずつ、回数を分けて食べる
  • おかゆ、うどん、スープ、卵、豆腐などが食べやすい
  • 栄養補助食品やゼリーも活用する
  • 症状が続く場合は必ず医療機関へ

看護師として多くの患者さんを見てきましたが、「食べられるようになる」ことが、回復の大きなサインです。

焦らず、自分のペースで。少しずつでも口にすることが、体を元気にする第一歩です。

この記事が、あなたやあなたの大切な人の回復の助けになれば嬉しいです。どうぞお大事にしてくださいね。

看護師からのメッセージ

体調が悪い時こそ、自分を労わってあげてください。「食べなきゃ」ではなく「食べられるものを、食べられる時に」。それで十分です。あなたの体は、ちゃんと回復しようとしていますよ。

 

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