「きちんと記録したつもりだったのに…」
その記録、逆に誤解やクレームの原因になっているかもしれません。
記録は「自己防衛」のためにも「チーム連携」のためにも大切ですが、
書き方ひとつで意味が大きく変わってしまうこともあります。
この記事では、よくある“誤解されやすい記録”とその改善ポイント、
トラブル防止のためのSOAPテンプレを紹介します。
ありがちだけど危ない!誤解を招く記録表現
現場でよく見かける「一見正しそうな表現」が、後々の問題につながることがあります。
- 「本人は大丈夫とのこと」
→ 客観的根拠がなく、後に「なぜ信じた?」と指摘される - 「様子を見た」
→ どのように見たのか、何を確認したのか不明瞭 - 「特に異常なし」
→ どこを確認したか、基準が書かれていない - 「やや元気なし」
→ 抽象的で個人差が出る表現
これらは「書いてるけど伝わらない」「読み手に誤解される」典型例です。
実際にあった!記録ミスが原因のトラブル例
【ケース】訪問後に転倒 → 「記録には問題なし」と指摘された
- S:「今日は体が重い」と話す
- O:移動時にふらつきあり、食事摂取5割、表情やや沈みがち
- A:倦怠感・低栄養・体力低下が重なり転倒リスク高
- P:環境調整・見守り強化、主治医へ状態報告
→ 「特に異常なし」ではなく、ここまで丁寧に書いてあれば、責任の所在が曖昧にならない。
記録の“誤解”を防ぐ3つのコツ
- 曖昧な言葉は具体化する
→ 例:「元気なし」→「座位保持時間15分、発語少なく応答遅い」 - 事実+本人の言葉+看護師の判断を分けて書く
→ 混同すると伝わりにくい - 「何を・どのように見たか」を必ず記録する
→ 様子を見た=何を根拠に「異常なし」と判断したのか
トラブル回避!SOAP記録テンプレ
以下のように整理して書けば、誤解されにくく、安心して引き継げる記録になります。
- S:「夜中に何度も起きてしまった」と話す
- O:表情やや疲労感あり。睡眠2時間、起床時ふらつき確認
- A:睡眠障害によるADL低下リスク。転倒注意
- P:夜間安静保持の工夫、翌朝状態再評価、家族へ状況説明
ポイント:
「話した内容」と「事実」と「看護師の判断」を分けることで、誰が見てもブレない記録に。
まとめ|“書いてるのに伝わらない”を防ぐために
看護記録は、丁寧に書いたつもりでも「伝わらない」「責任の所在が不明」になってしまうことがあります。
だからこそ、伝えるための構造を意識することが大切です。
SOAPの「型」を活用して、あなたの記録が
“トラブルを未然に防ぐ力”になりますように。
\今すぐブックマークして、明日からの記録に活かしてね!/