患者のケアをする看護師

仕事のこと

看護師のリアルな日常とは?感情と現場が交錯する1日の記録

「看護師って毎日どんな仕事してるの?」
これは看護学生や転職を考えている人から、よく聞かれる質問です。

でも、答えるのが難しい。なぜなら、看護師の1日は本当に“リアル”で感情が揺さぶられる連続

この記事では、現役訪問看護師ママの「なすこ」が、仕事と育児の両立に奮闘するリアルな日常を本音で語ります。

「やりがいもあるけど、しんどい時もある」「もう辞めたいって思った夜もあった」
それでも毎日、患者さんと向き合い、家に帰ればママとしても奮闘する。

この記事を通じて、看護師という仕事のリアルな魅力と葛藤ワーママとしての時間の使い方を少しでも伝えられたら嬉しいです。

これから看護師を目指す人にも、同じように働くママナースにも、ちょっとした共感や勇気になればと思います☺


看護師のリアルな1日ってどんな感じ?

看護師と一言で言っても、働く場所によって1日の流れは大きく違います。
私は現在、訪問看護ステーションで働くシングルマザー。病院とはまた違うスケジュール感で日々動いています。

ここでは、私「なすこ」の平日の1日を例に、訪問看護師のリアルなタイムスケジュールを紹介します。

7:00 起床、子どもを送り出す

起きたらまず朝ごはんづくりとお弁当づくり。同時進行で保育園や小学校の準備も手伝います。
子どもの機嫌がいい日はスムーズ。でも寝坊したり、機嫌が悪いとバタバタ。これがすでに第1の戦場

8:30 出勤・訪問スケジュール確認

訪問看護は「何時に誰の家に行くか」が決まっているので、まずその日のスケジュールやルートを確認します。
利用者さんの状態変化や連絡事項もチェック。前日に急なキャンセルが入ることもあり、臨機応変な対応力が求められます。

9:00〜12:00 午前の訪問

この時間帯はだいたい2〜3件を訪問します。
高齢者の方や難病の方、退院直後で不安な方など、利用者さんの状況はさまざま。

バイタルサイン測定・内服管理・褥瘡の処置・家族支援など、看護師としての専門的な技術と共感力が問われます。

「今日は調子良さそうだな」と思った次の日に悪化することも。常に観察眼と記録は欠かせません。

12:30〜13:30 昼休憩(でも気は抜けない)

移動中の空いた時間や、事業所に戻ったタイミングで昼休憩。
コンビニでおにぎりを買って車の中で食べる日もあります(笑)

でもその間にも、緊急連絡が入ることがある
「転倒しました」「発熱しました」などの連絡が入れば、その対応を考えて再スケジュール。
「昼休憩=完全な休息」とはいかないのがリアルです。

14:00〜16:30 午後の訪問

午後も2〜3件ほど訪問します。
午後の利用者さんは比較的話好きな方が多く、「ちょっと世間話」も大切なケアの一部

看護師の視点から見れば、話の内容や顔色、表情の変化から生活状況やストレスの兆候を読み取ることもあります。

17:00 帰社・記録・報告

訪問から戻ったら、すぐに電子カルテへの記録入力。この作業は大事だけど、時間も気力も必要。
「子ども迎えに行かなくちゃ…」「夕飯の買い物どうしよう」と頭の中はすでに家庭モード。

急ぎの報告事項がある場合は、医師やケアマネに連絡することもあります。

18:00 保育園お迎え・帰宅

この時間にママ業スタート

夜になって子どもが寝静まった後に、やっと自分の時間。だけど正直、そのまま一緒に寝落ちする日も多いのが現実です(笑)

「仕事だけじゃなく、家庭も全部やってる」
それがママナースのリアルな1日です。


看護師のリアルな感情の波|本音で語る

「看護師って大変そうだけど、やりがいはあるんでしょ?」
よくそう言われます。
でも実際は、やりがいだけじゃ続けられないくらい、感情のアップダウンが激しいのがこの仕事。

喜び、葛藤、怒り、不安…
訪問看護師のリアルな感情の波を包み隠さずお話します。

感謝される瞬間は、やっぱり嬉しい

「来てくれて安心した」「ありがとう、あなたでよかった」
そんな言葉をかけてもらえると、心がふっと軽くなります。

訪問先では、その人の人生や生活に深く関わることが多く、
信頼関係が築けたときの喜びはひとしお。

「この仕事、やっぱり好きかも」と思える瞬間です。

理不尽なクレームや無力感で心が折れそうになる

一方で、クレームや理不尽な要求に苦しむことも少なくありません。

「この前言ったでしょ?」「あなた、前と違う看護師さんより頼りないね」
そんな風に言われて、自信がガクッと下がることもあります。

頑張っても報われない、利用者さんや家族の不満のはけ口になってしまう…。
「私、必要とされてないのかな」って思ってしまう日も、正直あります。

「感情労働」ってこういうことだなと思う

看護師は感情をコントロールし続ける仕事

本当はしんどくても、笑顔で
本当はイラッとしても、冷静に
本当は泣きたいけど、強くいなきゃいけない

どれだけ感情を押し殺して働いているか、気づいた時にはもう心がヘトヘトになっていることも。

「今日は帰ってから誰とも話したくない」「子どもに笑顔向ける余裕ない」
そんな日は、自分を責めがちになります。

それでも続けたい理由がある

それでも、やっぱりこの仕事を辞められないのは、人と向き合うことが好きだから。

どんなにしんどくても、誰かの役に立てたとき、「ありがとう」の一言で全てが報われる気がする。

そして、看護師としての成長を実感したとき、自分を少し誇らしく思える。

「あの時、やめなくてよかった」って、振り返って思える日が来るから、なんとかやってこれています。

感情を保つために私がやっていること

感情が振り回される仕事だからこそ、自分を守る工夫も大切です。

  • 休みの日は仕事のことを考えない
  • SNSや日記で気持ちを吐き出す
  • 同僚やママ友と話して笑う
  • 温泉やカフェでひとり時間を楽しむ

「弱音を吐く=ダメな人」じゃない。
看護師も人間だから、泣いてもいいし、逃げてもいい。

「私らしく働くためのリズム」を整えることが、心の安定に欠かせません。

感情の波はあるけれど、
それも全部含めて看護師という仕事。

今日も、誰かの人生の1ページに関われたことを誇りに思っています。


仕事と家庭の両立はどうしてる?

看護師として働きながら、ママとしても家を守る。
それって、言葉で言うほど簡単じゃない。

「家族のことも気になるけど、今は仕事に集中しなきゃ」
そんなジレンマといつも隣り合わせです。

朝は戦場、夜は疲労困憊

朝5時に起きて、お弁当作って、子ども起こして、朝ごはん用意して、ゴミ出して…。
1分1秒が勝負。

仕事に向かう頃には、もうひと仕事終えた気分。

訪問看護は移動も多いし、体力も気力も消耗します。
家に帰っても、夕飯・洗濯・宿題チェック・寝かしつけ
気づけば自分の時間はゼロ。

「もう限界かも」って思った日、何度あったかな。

それでもやりくりしてる工夫

完璧なんて目指してません。
「やらないことを決める」って、私にとっては一番の時短テク。

  • 掃除は週末まとめて
  • ごはんは週末の作り置き+冷凍でOK
  • 子どもには自分でできることを任せる

手を抜くことは、サボりじゃなくて自分を守る選択

子どもとの時間、どうしてる?

「ママ、あしたおしごと?」と聞かれるたびに、胸がチクッとします。

一緒にいたい気持ちは山ほどあるけど、現実は時間との戦い。
だからこそ、短い時間でも“濃い時間”を意識しています。

  • お風呂でゆっくり話す
  • 絵本は寝る前に必ず読む
  • 週1は子どもとの「お楽しみデー」を死守

子どもにとっての「ママとの思い出」が、ちゃんと心に残ってほしいから。

「ママで看護師」は特別な存在

どちらか一方を諦めたくない。
だから、「ママだからできる看護」「看護師だから伝えられる育児」を模索中。

子育て経験が、利用者さんへの理解につながることもあるし、
看護の知識が、家庭の健康管理に生かせることもあります。

バタバタだけど、この両立が“私らしさ”になってると、最近少し思えるようになってきました。

うまくいかない日もあるけど、それも私。
笑ったり泣いたりしながら、今日も「ママナース」やってます。


看護師の仕事、続けてよかったと思う瞬間

しんどい日もある。泣きたくなる日もある。

でも、そんな日々の中でも、「この仕事を続けてきてよかった」と思える瞬間がちゃんとあるんです。

利用者さんの言葉に救われる

「来てくれるだけで安心するよ」
「あなたの顔を見ると元気出る」

そんな言葉をかけてもらうたびに、疲れがふっと軽くなるんです。

訪問看護は、人生の最期に寄り添うこともあります。
その中で、“誰かの人生の一部になれる”という仕事の重みと誇りを感じます。

子どもが「ママすごいね」と言ってくれた

夜勤明けのクタクタな顔に、子どもが一言。

「ママってすごいね、病気の人を助けてるんでしょ?」

その瞬間、「ああ、この姿をちゃんと見てくれてるんだ」って涙が出そうになりました。

家庭も大事、仕事も大事。
その両方を見せていくことが、子どもの将来にもプラスになるって信じてます。

あらためて、看護師を続ける意味

看護師って、人の命や心と深く関わる仕事。

もちろんプレッシャーも大きいけど、それ以上に「ありがとう」が胸に響く

誰かの不安を少しでも軽くできたら。
その笑顔がまた明日の原動力になる。

私は、これからも「人を支える仕事」を自分らしく続けたいと思っています。

訪問看護の現場から、ママとして、ナースとして。
今日も一歩ずつ、誰かのために・自分のために、歩いていこう。


まとめ|看護師ママのリアルな日常は、誇れる人生の証

看護師の仕事は、毎日が学びの連続。
ママとしての生活も、予想外のハプニングだらけ。

だけど、その一日一日が、かけがえのない自分の物語です。

「両立って大変だけど、決して無理じゃない。」
そう思えるようになったのは、たくさんの経験と支えがあったから。

あなたが看護師として、ママとして、どんな働き方を選んでも大丈夫。
自分にとっての“ちょうどいいバランス”を、これからも一緒に探していきましょう。

この記事が、今ちょっと立ち止まってる誰かの背中を、そっと押せたらうれしいです。

「看護師もママも、どっちも本気。」
そんなあなたを、心から応援しています。


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