はじめに|今年の夏も油断できない暑さに
年々暑さが厳しくなる日本の夏。気温が高いだけでなく、湿度も高く、体調を崩す方が増えています。特に小さなお子さんや高齢者、外回りの多い仕事をされている方、在宅勤務中の方まで、誰にとっても「暑さ対策」は重要なテーマです。
この記事では、現役ナースである筆者が、医療現場や訪問看護の経験をもとに「体にやさしい暑さ対策7選」をご紹介します。できるだけ自然な方法で、体を守りながら夏を乗り切りましょう!
1. こまめな水分補給+塩分補給が基本
熱中症対策の基本は、水分と塩分のバランスを保つこと。のどが渇いていなくても、1時間に1回を目安に水分をとりましょう。
- 常温の水や麦茶が◎
- 汗をかいたら塩タブレットや経口補水液も
- カフェイン・アルコールは脱水を招くので控えめに
特に高齢者や子どもは、のどの渇きを自覚しにくいので、まわりが声をかけてあげることが大切です。
2. 首・わき・足首の「三つの首」を冷やす
人の体は、太い血管が通っている「首・わき・足首」を冷やすことで、効率よく体温を下げることができます。外出先では、
- 保冷剤をタオルでくるんで首に当てる
- 冷感スカーフを巻く
- 氷嚢を足首に当てる
など、簡単にできる冷却法を取り入れてみましょう。エアコンが使えない環境でも有効です。
3. エアコンは「上手に使う」がカギ
「エアコンは体に悪い」と思いがちですが、無理して使わないほうが危険です。温度設定は28度を目安にし、
- サーキュレーターで空気を循環させる
- 朝晩の涼しい時間に換気する
- 寝るときはタイマーや微風モードに
冷えすぎると自律神経の乱れや夏バテを招くため、調整しながら上手に活用しましょう。
4. 発酵食品で「体の中から」バテ予防
夏バテや疲れを防ぐために、食事にも工夫が必要です。おすすめは、
- 塩麹や醤油麹を使ったさっぱりメニュー
- 甘酒やヨーグルトで腸内環境を整える
- 冷やしうどんに納豆やとろろをプラス
看護の現場でも、腸の健康は免疫力と深く関わっていると実感しています。無理に食べず、食べられるときに体が喜ぶ食材を選びましょう。
5. 日中の外出は「時間と服装」に注意
日差しが強い時間帯(10~15時)の外出はなるべく避け、朝夕の涼しい時間に動くのが理想です。
服装のポイントは以下のとおり:
- 通気性の良いコットンやリネン素材
- 吸汗速乾タイプのインナー
- 帽子・日傘・サングラスで紫外線をカット
子どもには「熱がこもりにくい帽子」や「冷感Tシャツ」などを選ぶのもおすすめです。
6. 睡眠の質を上げて「疲れを翌日に持ち越さない」
暑さで寝苦しいと疲れが取れず、熱中症リスクが高まります。寝る環境を整えるために:
- 冷感シーツや枕カバーを活用
- 足を冷やすと入眠しやすい
- エアコンのタイマー+扇風機の首振り設定
また、夜間頻尿がある方は就寝前の水分を控えめにしつつ、日中の水分をしっかりとるよう心がけましょう。
7. 「我慢しないこと」が最大の対策
とくに日本人は「暑さを我慢する美徳」が根強く、冷房をつけない・水分を控えるなど、かえってリスクになる行動が見られます。
看護師として現場で実感するのは、「我慢のしすぎが命取りになる」こと。自分の体の声に耳を傾け、無理せず快適に過ごすことが、夏を乗り切る最大のポイントです。
まとめ|ナースの視点で見る「暑さ対策」
暑さ対策は、単に涼しければいいというものではなく、心と体をバランスよく整えることが大切です。
今回紹介した7つの対策は、特別な道具や知識がなくても、日常にすぐ取り入れられる内容ばかり。ナースとして、また一人の生活者として「無理せず夏を楽しむ知恵」を、これからも伝えていきたいと思っています。
ぜひ、ご家族や身近な方にもシェアして、一緒に暑い夏を元気に乗り越えましょう!