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看護師が教える!更年期に起こる不調と上手な付き合い方【症状別対策完全ガイド】

看護師が教える!更年期に起こる不調と上手な付き合い方【症状別対策完全ガイド】

「最近、急に汗が止まらなくなる…」「イライラして家族に当たってしまう…」「夜、眠れなくて辛い…」

こんな症状に悩んでいませんか?それ、もしかしたら更年期のサインかもしれません。

私は看護師として、これまで多くの更年期の患者さんと向き合ってきました。
「我慢するしかない」「年齢のせいだから仕方ない」と諦めている方が本当に多いんです。

でも、更年期の不調は正しい知識と対策で、ぐっと楽になります

この記事では、更年期に起こる代表的な症状から、看護師として現場で見てきた「効果があった対策」まで、実践的な情報をお届けします。

注意:この記事は一般的な情報提供を目的としています。症状が重い場合や日常生活に支障がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

そもそも更年期って何?いつから始まるの?

更年期とは、閉経前後の約10年間を指します。日本人女性の平均閉経年齢は50歳前後なので、一般的には45歳〜55歳頃が更年期に当たります。

更年期の体で何が起こっているの?

この時期、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。エストロゲンは、生殖機能だけでなく、自律神経・骨・血管・脳・皮膚など全身に影響を与えるホルモンです。

そのため、エストロゲンが減ると、体のあちこちに不調が現れるんです。

更年期って女性だけの問題だと思ってた…

実は、男性にも「男性更年期」があります。男性ホルモン(テストステロン)の減少によって起こる症状で、40代後半から現れることが多いです。ただし、この記事では女性の更年期に焦点を当てて解説していきますね。

更年期に起こる代表的な症状【チェックリスト付き】

更年期の症状は人によって千差万別。「これが更年期の症状です」と一言で言えないのが難しいところです。

看護師として患者さんから最もよく聞く症状をリストアップしました。当てはまるものはありますか?

【身体的症状】

症状 特徴
ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり) 突然、顔や上半身が熱くなり大量の汗が出る。数分で治まることが多い
発汗 特に夜間の寝汗がひどく、着替えが必要になることも
動悸・息切れ 階段を上っただけで心臓がバクバクする、息が上がる
めまい・立ちくらみ フワフワする浮動性めまいが多い
頭痛 締め付けられるような痛み、偏頭痛が悪化することも
肩こり・腰痛 今までになかった痛みやこりが出現
疲れやすさ・倦怠感 何もしていないのに疲れが取れない
不眠 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める

【精神的症状】

症状 特徴
イライラ・怒りっぽさ 些細なことで感情が爆発してしまう
不安感 漠然とした不安に襲われる、将来が心配になる
憂うつ感 何をしても楽しくない、気分が落ち込む
意欲の低下 やる気が出ない、何もしたくない
集中力の低下 物忘れが増える、仕事が手につかない

これらの症状、複数が同時に現れることが多いのが更年期の特徴です。

当てはまる症状がいくつもある…これって全部更年期のせい?

可能性は高いですが、他の病気が隠れている場合もあります。特に動悸や息切れ、めまいなどは心臓や血圧の問題の可能性も。自己判断せず、一度婦人科や内科を受診することをおすすめします

更年期症状が重くなる人・軽い人の違い

外来で患者さんを見ていると、「ほとんど症状がない」という人もいれば、「日常生活が送れないほど辛い」という人もいます。この差はどこから来るのでしょうか?

症状が重くなりやすい要因

  • ストレスが多い環境:仕事や家庭での悩み、介護など
  • 完璧主義・真面目な性格:頑張りすぎてしまう人
  • 運動不足:日常的に体を動かす習慣がない
  • 睡眠不足:慢性的な睡眠不足が続いている
  • 不規則な生活:食事時間や睡眠時間がバラバラ
  • 喫煙習慣:喫煙者は症状が重くなる傾向
  • 痩せすぎ・太りすぎ:極端な体型も影響する

看護師として現場で感じるのは、「真面目で頑張り屋さんほど症状が重い」傾向があること。家族のため、仕事のために自分を後回しにしてきた方が多いんです。

看護師のワンポイントアドバイス

更年期は「頑張りすぎないで」というサインかもしれません。これまで頑張ってきた自分を労わる時期だと捉えてみてください。

今日からできる!更年期の不調を和らげる7つの方法

ここからは、看護師として患者さんに実際にお伝えしている対策をご紹介します。すべてを完璧にやる必要はありません。できることから一つずつ、試してみてくださいね。

1. 食事で女性ホルモンをサポート

エストロゲンに似た働きをする「大豆イソフラボン」を積極的に摂りましょう。

おすすめの食材:

  • 納豆(1パック=約35mg)
  • 豆腐(半丁=約40mg)
  • 豆乳(200ml=約40mg)
  • 味噌(大さじ1=約6mg)

目安は1日40〜50mg。納豆1パック+豆腐半丁で十分です。

また、ビタミンE・ビタミンB群・カルシウムも重要です。

  • ビタミンE:アーモンド、アボカド、かぼちゃ(血行促進、ホルモンバランス調整)
  • ビタミンB群:玄米、豚肉、バナナ(神経の安定、疲労回復)
  • カルシウム:小魚、乳製品、小松菜(骨粗しょう症予防、イライラ軽減)

サプリメントで摂ってもいいの?

サプリメントも選択肢の一つですが、まずは食事からが基本です。サプリは補助的に使いましょう。また、持病がある方や服薬中の方は、医師に相談してから使用してください。

2. 軽い運動で自律神経を整える

運動は更年期症状の改善に本当に効果的です。特にウォーキング・ヨガ・ストレッチがおすすめ。

私がおすすめする運動習慣:

  • 朝の散歩:15〜30分、日光を浴びながら歩く(セロトニン分泌促進)
  • 寝る前のストレッチ:5〜10分、ゆっくり呼吸しながら
  • 週2〜3回のヨガ:YouTubeの動画でもOK

ポイントは「無理せず、楽しく続けられること」。激しい運動は逆効果になることもあります。

3. 睡眠の質を上げる工夫

更年期の不眠は本当に辛いですよね。夜中の寝汗で目が覚める患者さんも多いです。

睡眠の質を上げるコツ:

  • 寝室の温度を少し低め(18〜20度)に設定
  • 吸湿性の良いパジャマや寝具を使う
  • 寝る1〜2時間前に入浴(38〜40度のぬるめのお湯)
  • 寝る前のスマホ・PCは控える
  • カフェインは15時以降摂らない
  • 寝る前にリラックスできる音楽やアロマを活用

どうしても眠れない場合は、睡眠外来や婦人科で相談を。適切な睡眠薬を処方してもらうことも選択肢です。

4. ホットフラッシュへの即効対策

突然襲ってくるホットフラッシュ。外出先で困ることも多いですよね。

すぐできる対処法:

  • 首元を冷やす(保冷剤・冷却シート・冷たいペットボトル)
  • 深呼吸をゆっくり繰り返す(副交感神経を優位に)
  • 羽織ものを活用して温度調節しやすい服装に
  • 吸湿速乾素材の下着を選ぶ
  • 小型の扇子やハンディファンを持ち歩く

患者さんの中には、「保冷剤をハンカチに包んで常にバッグに入れている」という方も。自分なりの対処グッズを見つけると安心です。

5. ストレス管理とリラックス時間の確保

更年期症状はストレスで確実に悪化します。でも、「ストレスをなくす」のは現実的に難しいですよね。

大切なのは「ストレスを溜めない工夫」と「自分をいたわる時間」を持つこと。

私が患者さんにおすすめしている方法:

  • 1日10分でいいから「何もしない時間」を作る
  • 好きな音楽を聴く、好きな香りを嗅ぐ
  • 信頼できる人に話を聞いてもらう(吐き出すだけでも楽に)
  • 「完璧にやらなくていい」と自分に言い聞かせる
  • 家事を手抜きする勇気を持つ(冷凍食品、惣菜、外食OK!)
看護師のワンポイントアドバイス

「家族のために」と頑張ってきた方ほど、自分を後回しにしがちです。でも、あなたが倒れたら元も子もありません。「自分を大切にすること」は決してわがままではないんですよ。

6. 記録をつけて症状のパターンを知る

自分の症状を記録すると、「いつ症状が出やすいか」「何をすると楽になるか」が見えてきます。

記録する項目:

  • 日付・時間
  • どんな症状が出たか
  • その日の体調・睡眠時間
  • 食事内容
  • ストレスの有無

スマホのメモ機能や手帳で十分。完璧に書く必要はありません。後で婦人科を受診する時にも、この記録が役立ちます。

7. 一人で抱え込まない−医療機関の活用

「更年期だから仕方ない」と我慢している方、本当に多いんです。でも、更年期は治療できる症状です。

こんな時は婦人科へ:

  • 日常生活に支障が出ている
  • 仕事や家事ができないほど辛い
  • 不眠が2週間以上続いている
  • 気分の落ち込みが激しい
  • セルフケアを試しても改善しない

病院での治療法−HRT(ホルモン補充療法)と漢方

婦人科では、主に以下の治療が行われます。

HRT(ホルモン補充療法)

減少したエストロゲンを薬で補う治療法。更年期症状に最も効果的とされています。

HRTのメリット:

  • ホットフラッシュ、発汗などの血管運動神経症状に効果大
  • 気分の落ち込み、イライラなどの精神症状も改善
  • 骨粗しょう症の予防になる
  • 肌や膣の乾燥も改善

HRTの注意点:

  • 乳がんや血栓症のリスクがわずかに上がる可能性
  • 定期的な検診が必要
  • 子宮がある人は黄体ホルモンも併用

「ホルモン剤は怖い」と思う方もいますが、適切に使えば安全で効果的な治療です。医師とよく相談して決めましょう。

漢方薬

HRTに抵抗がある方や、HRTができない方には漢方薬が処方されることも。

よく使われる漢方:

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え、むくみ、めまいに
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん):イライラ、不安、不眠に
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):のぼせ、肩こり、頭痛に

漢方は体質に合わせて選ぶことが大切。効果が出るまで2週間〜1ヶ月かかることもあります。

家族に理解してもらうために

更年期症状で辛いのは、周囲に理解されにくいこと。特に家族に「大げさだ」「気のせいだ」と言われて傷ついた、という声をよく聞きます。

夫に「更年期だから」って言われるだけで、何もしてくれない…

これ、本当によく聞く悩みです。家族に理解してもらうには、具体的に伝えることが大切です。

伝え方の例:

  • 「更年期で体調が悪い」ではなく「急に汗が出て気持ち悪くなる」「夜眠れなくて昼間眠い」など具体的に
  • 「今日は体調が悪いから、夕飯は惣菜にする」と事前に宣言
  • 「イライラしたら、30分一人にさせてほしい」とルールを決める
  • 一緒に婦人科を受診して、医師から説明してもらう

また、更年期について書かれたパンフレットや記事を見せるのも効果的。「病気」として認識してもらうことが第一歩です。

更年期を乗り越えた先にあるもの

「更年期が辛すぎて、この先が不安…」そう感じている方もいるかもしれません。

でも、私が看護師として多くの患者さんを見てきて感じるのは、更年期を乗り越えた女性は、とても生き生きしているということ。

更年期後は、もう生理がなく、PMS(月経前症候群)もありません。ホルモンの変動が落ち着くので、精神的にも安定する方が多いんです。

「更年期を乗り越えたら、人生で一番楽しい時期が来た」と言う患者さんもたくさんいます。

だから、今は辛くても、「これは一時的なもの」「必ず終わる」と思ってくださいね。

まとめ:更年期は「人生の転換期」−自分を大切にする時間

更年期は確かに辛い時期です。でも、適切な対策と治療で、必ず楽になります

この記事のポイント:

  • 更年期症状は我慢せず、対策・治療が可能
  • 食事・運動・睡眠・ストレス管理が基本
  • ホットフラッシュなど急な症状には即効対策を準備
  • 辛い時は一人で抱え込まず、婦人科へ
  • HRTや漢方など、効果的な治療法がある
  • 家族に具体的に伝えて理解を得る

更年期は、これまで頑張ってきた自分を労わり、「自分のために生きる」ことを学ぶ時期なのかもしれません。

完璧を目指さず、できることから少しずつ。あなたの体は、あなたにしか守れません。

どうか、自分を大切にしてくださいね。

看護師から最後のメッセージ

更年期の症状で悩んでいるのは、あなただけではありません。多くの女性が同じように悩み、そして乗り越えています。一人で抱え込まず、周囲に頼ることも大切です。医療機関も上手に活用して、この時期を一緒に乗り越えていきましょう!

 

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