「訪問看護師になりたいけど、何から始めればいいかわからない...」
「病院勤務とはどんな違いがあるの?」
そんな悩みを持つ看護師の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、訪問看護で成功するために押さえておくべきポイントを、現役訪問看護師の視点から7つに分けて詳しく解説します。転職を検討している方から、すでに働いている方まで、必見の内容をお届けします
訪問看護で成功するために
今回ご紹介した訪問看護で押さえておくべき7つのポイントは、
どれも実際の現場で必要不可欠なスキルばかりです。
📌 重要ポイントの再確認:
- 基本的な役割と責任の理解
- コミュニケーション能力の向上
- 在宅医療知識・技術の習得
- 効率的な時間管理術
- 緊急時対応力の養成
- 多職種連携スキル
- 継続学習とキャリア開発
一番重要なのは、患者さんとご家族に寄り添う気持ちです。
技術や知識は後からついてきますが、人を大切に思う心は訪問看護師の原点です。
これから訪問看護の道に進まれる方は、ぜひこれらのポイントを参考に、
充実したキャリアを築いていってください。
すでに働いている方も、改めてこれらのポイントを見直し、
さらなるスキルアップを目指していきましょう!
💡 次のアクション
この記事を読んで「訪問看護に興味が湧いた」「もっと詳しく知りたい」と思った方は、
ぜひ以下のステップから始めてみてください:
- 地域の訪問看護ステーションの見学申し込み
- 訪問看護関連の研修・セミナーへの参加
- 訪問看護師向けの求人情報チェック
- 在宅医療についての基礎知識学習
一歩踏み出すことで、新しいキャリアの扉が開かれます!

1. 訪問看護の基本的な役割と責任を理解する
訪問看護の最も重要なポイントは、その役割と責任を正確に理解することです。
病院看護師との大きな違いは、一人で判断・行動する機会が多いことです。
医師が常駐していない在宅環境では、看護師の判断が患者さんの生活の質や安全に直結します。
訪問看護師の主な役割
- 療養上の世話:日常生活援助、清潔ケア、食事・排泄支援
- 診療の補助:医師の指示による医療処置、服薬管理
- リハビリテーション:機能訓練、日常生活動作の向上支援
- 精神的支援:患者・家族の心のケア、相談対応
- 教育指導:疾病管理、介護方法の指導
特に重要なのは、患者さんの生活全体を見る視点です。
病院では治療が中心ですが、在宅では「その人らしい生活」を支えることが目標となります。
2. コミュニケーション能力を磨く
訪問看護で成功するために押さえておくべき第二のポイントは、高いコミュニケーション能力です。
在宅では、患者さんとご家族との信頼関係が何より重要になります。
患者・家族とのコミュニケーション
効果的なコミュニケーションのコツ:
- 傾聴:患者さんの話を最後まで聞く姿勢
- 共感:気持ちに寄り添い、理解を示す
- わかりやすい説明:専門用語を避け、具体的に伝える
- 非言語コミュニケーション:表情・身振り・声のトーンに注意
- 家族ケア:介護者の負担や悩みにも配慮
私の経験では、最初の訪問で「この看護師さんなら安心して任せられる」と思ってもらえるかが、
その後の看護の質を大きく左右します。
多職種とのコミュニケーション
訪問看護では、医師・ケアマネジャー・ヘルパー・理学療法士など、
多くの専門職と連携する必要があります。
チーム連携で重要なポイント:
- 報告・連絡・相談の徹底
- 専門職同士の役割分担の明確化
- 患者さんの情報共有の質向上
- 緊急時の連絡体制整備

3. 在宅医療の知識とスキルを身につける
病院とは異なる環境での医療処置が必要なため、在宅医療特有の知識とスキルは必須です。
在宅医療で必要な技術スキル
習得すべき主要技術:
- 在宅酸素療法:酸素濃縮器・酸素ボンベの取り扱い
- 人工呼吸器管理:在宅用人工呼吸器の操作・トラブル対応
- 経管栄養:胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養の管理
- 褥瘡ケア:創傷処置・予防ケア・栄養管理
- カテーテル管理:尿道カテーテル・中心静脈カテーテルのケア
- ストーマケア:人工肛門・人工膀胱の管理指導
これらの技術は、病院での経験があっても在宅特有の注意点があります。
例えば、停電時の対応や機器故障時の代替手段など、
在宅ならではの緊急事態への備えが重要です。
疾患別の在宅看護知識
重点的に学ぶべき疾患:
- 脳血管疾患:機能訓練・嚥下障害・高次脳機能障害への対応
- 認知症:BPSD対応・家族支援・安全な環境作り
- がん:疼痛管理・終末期ケア・家族の精神的支援
- 神経難病:ALS・パーキンソン病・多発性硬化症等の進行に応じたケア
- 精神疾患:統合失調症・うつ病・認知症の行動心理症状への対応
4. 時間管理とスケジューリング術をマスターする
訪問看護では効率的な時間管理が収入や仕事の質に直結する重要なポイントです。
限られた時間内で質の高いケアを提供するには、計画的な行動が不可欠です。
効率的な訪問スケジュール作成法
スケジューリングの基本原則:
- 地理的効率:訪問ルートを最適化し、移動時間を短縮
- 時間配分:処置内容に応じた適切な滞在時間設定
- 緊急枠確保:急変対応のためのスケジュール余裕
- 記録時間:訪問記録作成のための時間確保
- 交通渋滞対応:時間帯による移動時間の変動考慮
私の場合、朝一番に1日の訪問ルートを地図で確認し、
効率的な移動順序を決めることから始めています。
これだけで1日の移動時間を30分以上短縮できることもあります。
訪問時間の有効活用
限られた時間を最大活用するコツ:
- 事前の情報収集と準備の徹底
- 必要物品の事前準備とチェックリスト活用
- 患者さんの状態変化の早期発見
- 家族への指導内容の計画的実施
- 次回訪問の準備と連絡事項確認
注意点:効率を重視しすぎて、患者さんとのコミュニケーション時間を削ってはいけません。質の高いケアには、適切な時間配分が必要です。
5. 緊急時対応と判断力を養う
在宅では医師がすぐそばにいないため、看護師の判断力が患者さんの生命に関わる場合があります。
適切な緊急時対応能力は、訪問看護で最も重要なポイントの一つです。
緊急時の判断基準
即座に救急車を呼ぶべき状況:
- 意識障害:急激な意識レベル低下・呼びかけに反応なし
- 呼吸困難:著明な呼吸苦・チアノーゼ・呼吸停止
- 循環不全:血圧測定不可・脈拍触知困難・冷汗
- 外傷:大出血・骨折疑い・頭部外傷
- その他:けいれん・急激な腹痛・胸痛
一方で、すべてを救急搬送する必要はありません。
適切な判断ができるようになるには、経験と知識の積み重ねが重要です。
緊急時対応の準備
常に準備しておくべきもの:
- 緊急連絡先リスト:主治医・訪問看護ステーション・救急病院
- 患者情報カード:既往歴・内服薬・アレルギー・緊急時指示書
- 基本的な救急用品:血圧計・体温計・パルスオキシメーター
- 蘇生技術:BLS・AEDの定期的な練習
- コミュニケーション:家族への状況説明と指示の技術
私の経験では、緊急時こそ冷静な判断と的確な行動が求められます。
日頃からシミュレーション訓練を行い、いざというときに備えることが大切です。
6. チーム連携と多職種協働のスキル
訪問看護は決して一人で完結する仕事ではありません。
質の高いケアを提供するためには、多職種との連携が不可欠なポイントです。
主要な連携職種と役割
訪問看護で連携する主な職種:
- 主治医:医学的判断・治療方針決定・処方
- ケアマネジャー:ケアプラン作成・サービス調整
- 訪問介護士:生活援助・身体介護
- 理学療法士・作業療法士:機能訓練・リハビリテーション
- 薬剤師:服薬指導・薬剤管理
- 管理栄養士:栄養指導・食事療法
- ソーシャルワーカー:社会資源活用・制度利用支援
効果的な連携のためには、各職種の専門性を理解し、適切な役割分担を行うことが重要です。
情報共有の方法
効果的な情報共有のポイント:
- タイムリーな報告:変化や問題の早期共有
- 具体的な記録:客観的で詳細な情報記録
- 定期的なカンファレンス:チーム全体での情報交換
- 緊急時の連絡体制:24時間対応可能な連絡網整備
- 家族への情報提供:チーム方針の統一と家族理解促進
私が実際に経験した成功事例では、週1回のオンラインカンファレンスで、
全職種が患者さんの状況と課題を共有することで、
統一した支援方針を立てることができました。
7. 継続学習とキャリア開発の重要性
訪問看護分野は日々進歩しており、常に新しい知識と技術の習得が求められます。
継続的な学習は、専門性向上とキャリア開発の重要なポイントです。
必要な継続教育内容
優先的に学ぶべき分野:
- 在宅医療技術:新しい医療機器・処置技術の習得
- 疾患知識:病態生理・治療法・看護技術のアップデート
- 法制度:介護保険・医療保険制度の変更対応
- 感染管理:在宅での感染対策・感染症対応
- 終末期ケア:緩和ケア・家族支援・グリーフケア
- 認知症ケア:認知症看護・家族支援技術
学習方法は多様化しており、オンライン研修・eラーニング・実習など、
働きながらでも効率的に学べる環境が整っています。
キャリアアップの道筋
訪問看護でのキャリアパス:
- 認定看護師:在宅看護・緩和ケア・認知症看護等
- 専門看護師:在宅看護専門看護師
- 管理職:訪問看護ステーション管理者・統括責任者
- 独立開業:訪問看護ステーション開設
- 教育職:看護学校教員・研修講師
- 相談職:ケアマネジャー・退院調整看護師
私自身、訪問看護を始めて3年目に認定看護師の資格取得を目指し、
現在は後輩指導にも携わっています。
継続学習は自分自身の成長だけでなく、患者さんにより良いケアを提供することにつながります。