心電図モニターのアラームが鳴り、ベッドサイドへ駆けつけると患者さんが「苦しい」「めまいがする」と訴えている…!
そんな場面に遭遇すると、「急変かも!?」と頭が真っ白になってしまう新人ナースや学生さんは多いのではないでしょうか。
不整脈(頻脈・徐脈含む)で一番危険なのは、「脈の乱れ」によって「全身に血液が回らなくなっている(症状が出ている)」状態です。
今回は、実際に症状が見られたときの「具体的な動線」と「医師への的確な報告のコツ」をわかりやすく解説します!
1. まずは落ち着いて!「緊急度」を判断する
患者さんが苦しそうにしている時、一番最初に確認すべきは「今すぐ蘇生(CPR)が必要な状態か?」です。
パッと見て確認する3つのポイント
- 意識はあるか?(声をかけて反応するか)
- 呼吸をしているか?(胸が動いているか、普段通りの呼吸か)
- 顔面蒼白・冷汗はないか?(ショック状態のサイン)
もし「意識がない」「正常な呼吸がない」場合は、不整脈のアセスメントをしている場合ではありません。すぐにナースコールで人を呼び、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始してください!
2. 意識がある場合の「具体的な対応」3ステップ
意識があり、会話ができる状態であれば、以下のステップで対応を進めます。
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1人を呼ぶ・その場を離れない
症状が出ている患者さんの元を絶対に離れてはいけません。手元のナースコールやピッチを使って、「〇〇さん、胸部不快の訴えと頻脈があります。誰か来てください!」と応援を呼びます。
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2安全で安楽な体位にする
症状(頻脈か徐脈か)に合わせて、心臓の負担を減らす体位をとります。
- 徐脈・血圧低下・めまいがある場合:
脳への血流を保つため、「仰臥位(フラットに寝る)」にして、可能なら足を少し高くします。転倒を防ぐため絶対に立たせないでください。 - 頻脈・息苦しさ・心不全のサインがある場合:
心臓に戻る血液量を減らして肺を楽にするため、「ファウラー位(半座位)」にします。
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3バイタル測定と12誘導心電図の準備
応援のスタッフが来たら役割分担をします。血圧、SpO2、体温を測定し、医師の指示ですぐに検査ができるよう「12誘導心電図」と「救急カート」をベッドサイドへ準備しましょう。
※訪問看護などモニターがない環境では、まずは手首で直接脈に触れ(触知)、リズムと強さを確認することが何よりの武器になります。
3. 医師への報告は「SBAR(エスバー)」で的確に!
状況を把握したら、医師へ報告します。焦っていると「脈が速くて苦しそうです!」とだけ伝えてしまいがちですが、これでは医師もどう指示を出せばいいか分かりません。
報告の型である「SBAR(エスバー)」を使うと、スムーズに伝わります。
- S(状況):「〇〇病室の△△さんですが、現在心拍数130回の頻脈があり、胸の痛みを訴えています。」
- B(背景):「△△さんは昨日から発熱があり、心不全の既往があります。」
- A(評価):「血圧は90/60に低下しており、冷汗も見られます。SpO2は95%です。」
- R(提案):「12誘導心電図をとりましょうか?すぐにお越しいただけますか?」
おわりに
不整脈や脈の異常による症状が出たときの対応は、「ひとりで抱え込まないこと」と「患者さんの安全(転倒予防・体位)を確保すること」が最優先です。
最初は誰もが焦るものですが、この「対応の型」を頭の片隅に置いておけば、いざという時に必ず体が動くようになります。
これまでの「心不全」「徐脈」「頻脈」の基礎知識と合わせて、落ち着いてアセスメントできるよう少しずつ慣れていきましょう!