記録を書いているナース

仕事のこと

その看護記録、大丈夫?|書き漏れが招くリスクとトラブル回避テンプレ

「ちゃんと書いたつもりだったのに、後からトラブルになった…」
そんなヒヤリとした経験、ありませんか?

看護記録は、ただの“メモ”じゃありません。
情報共有・法的証拠・チーム連携…すべての基盤になる重要なツールです。

今回は、記録の“書き漏れ”や“曖昧さ”がどんなリスクを生むのかをわかりやすく解説し、
すぐ使えるトラブル防止のSOAPテンプレも紹介します。

記録ミスが招くのは、ただの「注意」だけじゃありません。
報告漏れ・インシデント・信頼喪失・訴訟…
「たかが記録」では済まされない場面が、現場にはたくさんあります。

現場で多い「危ない記録」3選

  • ① 主観と客観が混ざっている
    例:「顔色が悪く、たぶんしんどそう」→Oに推測を入れがち
  • ② 曖昧表現が多い
    例:「元気そう」「まあまあ落ち着いている」→読み手によって解釈がバラバラに
  • ③ 事実の抜けがある
    例:「転倒後、異常なし」だけで経過観察や家族報告が未記載

これらはいずれも“後出しトラブル”のもとになります。

【実例】うっかり書き忘れた結果…

ケース:訪問看護での服薬指導ミス

  • S:「薬、飲んだか忘れた」と本人訴え
  • O:薬カレンダーは前日分が残っている
  • A:内服管理困難。自己判断による中止・重複の可能性あり。
  • P:内服状況を家族に確認。医師へ状況報告し、訪問時の声かけ・チェック体制を強化。

→このケース、記録がなければ「誰が確認したの?」「何を報告したの?」となり、責任の所在が曖昧に。

トラブル防止のSOAP記録テンプレ

以下のような型で書くことで、曖昧さ・漏れ・責任逃れを防げます。

  • S:本人の発言は“引用形式”で書く(例:「〜と話される」)
  • O:事実のみ、数字・時間・状況を具体的に
  • A:リスク・必要な判断・状況の捉え方を短くても明確に
  • P:誰に、何を、いつまでに、どうするのか明示

テンプレ例:
S:「息がしづらい」と訴える
O:SpO₂ 92%、呼吸数24、顔色やや蒼白
A:軽度の呼吸困難あり。肺疾患既往の影響も考慮。
P:安静保持し、呼吸状態を5分後再確認。主治医へ報告。

まとめ|「書かれていない」は「なかった」ことになる

忙しい現場だからこそ、記録は簡潔で明確に。
「書いておいてよかった」が未来の自分を守ります。

SOAPは“お守り”にも“盾”にもなる。
記録に強くなることは、看護師としての安心にもつながります。

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