「主菜は決まったのに、副菜が決まらない…」ってこと、ありますよね。夏はキッチンが暑くて、冬は帰宅が遅くて台所に立つ時間も限られる。そんなときに頼りになるのが圧力鍋です。正直、最初は“煮崩れ早すぎて怖い鍋”だと思ってました(笑)。でも使い方のコツを覚えると、短時間で味が染みる・作り置きできる・洗い物少なめの三拍子が揃う最強アイテムに。
この記事では、私が実際に何十回も作って安定した副菜3本柱をご紹介します:①大根のだし含め、②鶏むねと根菜の甘塩麹煮、③ひじきと大豆の旨煮。加圧時間や減圧のコツ、失敗時のリカバリー法、保存期間、1週間のローテーションまで、現場目線でまとめました。型が決まれば、平日の夕方もぐっと楽になりますよ。
圧力鍋で押さえておきたい3原則
- 高圧×短時間→余熱で仕上げる:長く加圧すると煮崩れや味ボケの原因に。基本は「短く加圧して鍋に任せる」イメージです。
- 減圧は食材で使い分ける:形を残したい根菜は自然放置、火通りだけ済ませたい肉は急冷。逆にすると失敗が加速します。
- 味は途中で入れない:加圧前に濃い味を入れると、食材が締まって中まで味が染みにくいです。塩は控えめスタート、仕上げで整えます。
さらに小ワザとして、面取り・隠し包丁・下味の麹を。これをやるだけで「崩れない・パサつかない・味が染みる」の基本ができます。包丁は1分、麹のもみ込みは3分だけ。手抜きすると後半で10分くらいロスします(笑)。
レシピ① 大根のだし含め(高圧3分→自然放置)
狙い:中心までだしが染みて、角の立った輪郭も残す“冷めても美味しい”副菜です。
材料(4〜5人分)
- 大根 1/2本(3cm厚の輪切り→面取り→十字の隠し包丁)
- 出汁 500ml(出汁パックでもOK)
- 薄口醤油 大さじ1、みりん 大さじ1、塩 少々
手順
- 大根を下処理。面取りで亀裂防止、十字の切れ込みで味を染みやすく。
- 圧力鍋に大根と出汁を入れ、塩少々だけ先に。濃い味はまだ入れません。
- 高圧3分で火を止め、自然放置。圧が完全に抜けるまで触らないのがポイント。
- ふたを開け、薄口醤油とみりんを加え、2〜3分静かに煮る。火を止めて余熱で味を入れます。
ポイント・失敗回避
- 水っぽくなる→前半に塩を入れすぎると浸透圧で水が出ます。最初は少なめに。
- 崩れる→自然放置を焦って開けない。これが最大の味付けです。
保存
冷蔵3日。食べる直前に軽く温めると艶が戻ります。冷凍は△(食感がやわらかくなる)。
レシピ② 鶏むねと根菜の甘塩麹煮(高圧1分→急冷)
狙い:最小限の加圧で火通りを確認し、余熱+急冷+保水でしっとり仕上げる副菜です。タンパク質補充にぴったり。
材料(4人分)
- 鶏むね肉 1枚(300g)…塩麹 大さじ1でもみ込み10分
- 人参 1本、じゃがいも 2個、ごぼう 1/2本(乱切り)
- 水 300ml、醤油 大さじ1、みりん 大さじ1、砂糖 小さじ1
手順
- 鶏むねはそぎ切りにして塩麹でもみ込む(10分〜30分)。
- 鍋に根菜→水→鶏の順で入れる。この段階で調味料は入れません。
- 高圧1分で止め、流水で急冷。圧が下がったら開ける。
- 醤油・みりん・砂糖を加え、2〜3分軽く煮て火を止め、余熱で味を入れる。
失敗回避
- パサつく→切り方が厚い、または加圧が長い。薄めにそぎ切りが吉。
- 味が薄い→塩は最後に1つまみ追加、煮詰めると輪郭が出ます。
保存
冷蔵3日/冷凍◯(2〜3週間)。冷凍は汁ごと小分け、自然解凍後軽く温め直すと◎。
レシピ③ ひじきと大豆の旨煮(高圧0分→自然放置)
狙い:ひじきの香りを活かしつつ、大豆に旨味を移す。加圧は“到達させるだけ”で十分です。
材料(作り置き4〜5回分)
- 乾燥ひじき 20g(戻す)、ゆで大豆 200g
- 人参 1/2本、油揚げ 1枚(油抜きして細切り)
- 出汁 250ml、醤油 大さじ2、みりん 大さじ2、砂糖 小さじ2
手順
- 鍋に出汁・具材・調味料を全部入れる(同時投入でOK)。
- 圧をかけ始めてピンが上がったら即消火(高圧0分)。
- 自然放置で味を入れる。開けて水分が多ければ1〜2分だけ煮詰める。
ポイント
- 照りが欲しいときは砂糖を半量最後に入れるとツヤが出ます。
- 油揚げは旨味スポンジ。端まで細く切ると味の絡みが良くなります。
保存
冷蔵4日/冷凍◯。お弁当の“穴埋め”にも便利。朝に冷凍から出してごはんにONで自然解凍。
保存期間・冷凍可否 早見表
品名 | 冷蔵 | 冷凍 | 失敗回避メモ |
---|---|---|---|
大根のだし含め | 3日 | △ | 塩は前半控えめ/自然放置を待つ |
鶏むね根菜の甘塩麹煮 | 3日 | ◯ | 高圧1分→急冷/厚切り回避 |
ひじきと大豆の旨煮 | 4日 | ◯ | 高圧0分→自然放置/最後に煮詰め |
1週間ローテーション例(副菜が決まると夕食は半分終わる)
月曜は大根、火曜はひじき、水曜は鶏むね、木曜は大根+ひじき、金曜は鶏むねリメイク。週末に作り直すことで、包丁を出す回数も半分に。
- 月:大根のだし含め+焼き魚
- 火:ひじき大豆+冷ややっこ
- 水:鶏むね根菜煮+味噌汁
- 木:大根少量を刻んでツナと和え、副菜2点盛り
- 金:鶏むねはほぐしてサラダや混ぜごはんの具に
よくある失敗Q&A
- Q:加圧時間を間違えたらどうする?
- A:短すぎても火が通るので、余熱で調整。長すぎると煮崩れやすいので、次回は短めで試して調整。
- Q:味が薄い場合は?
- A:塩やみりんは最後に少しずつ足す。煮詰めすぎず余熱で味を入れるのがコツ。
- Q:冷凍すると食感は変わる?
- A:大根は△、鶏むね・ひじきは◯。冷凍は汁ごと小分けがベター。解凍後は軽く温めて◎。
まとめ
圧力鍋は“暴れん坊”に見えて、じつは時間管理が上手な相棒。高圧は短時間、減圧は料理で分ける、味は最後で決める――たった3ルールで、平日の副菜は勝手にできていく。まずはこの3品を型通りに回して、慣れたら根菜や豆の種類を入れ替えればOK。副菜で迷わない夜は、家族も台所も静かだ。