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見逃さないで!子どもと高齢者の熱中症サインと応急処置|ナースが教える予防と対策法

はじめに|「熱中症」は誰にでも起こる身近な危険

夏になるとニュースでも頻繁に取り上げられる「熱中症」。実は、乳幼児や高齢者は特にリスクが高く、重症化しやすい傾向があります。現役ナースとして訪問看護や小児科での経験から、「こんなサインがあったのに見逃していた」というケースも多数見てきました。

この記事では、子どもと高齢者に特有の熱中症のサインと、すぐにできる応急処置・予防法をわかりやすく解説します。家族や大切な人の健康を守るためにも、知識をしっかり身につけておきましょう。

子どもの熱中症のサインとは?

子どもは体温調節機能が未熟で、汗をかく機能もまだ発達していません。そのため、大人が感じていなくても、知らない間に熱がこもっていることがあります。

代表的なサイン

  • 顔が赤く、熱を持っている
  • ぐったりしていて元気がない
  • 異常に不機嫌・泣きやまない
  • 食欲がない、水分を取りたがらない
  • おしっこの量が減っている・濃い色

特に乳幼児の場合、「泣き方が弱い」「なんとなく様子が変」という小さな変化を見逃さないことが大切です。

高齢者の熱中症のサインとは?

高齢者は暑さや喉の渇きを自覚しにくく、自分で体調の異変に気づかないケースが多くあります。また、持病や服薬によってもリスクが高まります。

代表的なサイン

  • ぼーっとしている・反応が鈍い
  • 足がふらつく・めまい
  • 汗をかいていないのに体温が高い
  • 吐き気や食欲不振
  • 頭痛や倦怠感を訴える

「今日はちょっと元気がないね」という程度の変化でも、熱中症の初期症状かもしれません。特に一人暮らしの高齢者は、まわりの気づきが命を守るポイントになります。

熱中症の応急処置|家庭でできる対応とは?

万が一、熱中症の疑いがあった場合は、以下のステップで応急処置を行いましょう。

1. 涼しい場所へ移動

まずは風通しの良い室内や、日陰に移動させましょう。車内にいた場合は特に早急に移動を。

2. 衣服をゆるめて熱を放出

ベルトやボタン、チャックを緩めて、体から熱が逃げやすい状態に整えます。

3. 体を冷やす

  • 首・わきの下・太ももの付け根を保冷剤や濡れタオルで冷やす
  • うちわや扇風機で風をあてる

4. 水分と塩分の補給

意識がはっきりしている場合は、経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンクをゆっくり飲ませましょう。自分で飲めない場合は、すぐに医療機関へ連絡を。

5. 体調が回復しない場合は救急車を

呼吸が乱れていたり、けいれん、意識障害がある場合は迷わず119番を。熱中症は軽度に見えても急激に悪化することがあります。

予防の基本|子ども・高齢者に気をつけたいポイント

✅子どもの場合

  • ベビーカーは地面に近く、熱がこもりやすい
  • 帽子+日よけのついた服を選ぶ
  • 汗をかいたら着替えさせて清潔を保つ
  • 水分補給のタイミングを「のどが渇く前」に

✅高齢者の場合

  • エアコンを適切に使用するよう促す
  • 朝夕の体調チェックを習慣に
  • こまめに声かけして水分補給を促す
  • 1日1回は電話や訪問で様子を見る

看護師からのアドバイス|「ちょっとした変化」を見逃さない

熱中症の怖いところは、「本人が自覚しにくい」「初期症状があいまい」な点です。医療の現場でも、「もっと早く気づいていれば…」というケースは少なくありません。

家族ができる最大の対策は、日頃からの観察と、気軽な声かけです。

「ちょっと顔赤いよ」「今日ごはんちゃんと食べた?」そんな一言が、命を守ることもあります。

まとめ|夏を安心して過ごすために

子どもや高齢者は、自分で「暑い」「具合が悪い」と言い出しにくい存在です。だからこそ、まわりの気づきとケアが何よりも大切。

熱中症は予防と早期対応で防げる病気です。この記事で紹介したサインや応急処置、日々の習慣を、ぜひ今日から取り入れてみてください。

家族みんなで、元気に楽しく、安心して夏を過ごせますように。

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