「子どもの心が一番心配だった」
離婚という大きな決断をしたとき、まず考えたのは、子どもの気持ちをどう守るかでした。
大人にとっても迷いや痛みのある選択ですが、それ以上に、子どもは言葉にできない不安を抱えています。
ここでは、看護師でありシングルマザーでもある私が、実際の育児経験をもとに、離婚後の子どもの心のケアについてまとめています。
「離婚しても大丈夫」「ママがそばにいるから」
そう伝えたいあなたに、子どもとの関係を築き直すヒントになれば嬉しいです。
💬 離婚後、子どもが抱える言葉にできない気持ち
子どもは大人以上に敏感です。口には出さなくても、親の表情や言葉、生活の変化からいろいろな感情を感じ取っています。
こんな不安や誤解が生まれやすいです:
- 「私が悪いからパパがいなくなったの?」
- 「もう家族じゃなくなったの?」
- 「ママもいつかいなくなるかも…」
大人の理屈で説明しても、子どもが自分ごととして理解するには時間が必要なことがあります。
だからこそ、一番近くにいる親が「わかろうとしている」姿勢を見せることが、何よりの安心につながります。
📊 年齢別|子どもの反応とケアのポイント
子どもの反応は、年齢や発達段階によって大きく違います。実際に私が育児の中で感じたことも交えて、年齢別のケアのコツをご紹介します。
👶 幼児期(3〜6歳)|まずは感情を受け止める
- 離婚の意味は理解できないことが多い
- 「いつもと違う」が強い不安に
- 急に甘えたり、夜泣きや癇癪が増える
ケアのポイント:
幼児は言葉よりスキンシップや表情で安心します。
「大丈夫だよ」「ママはここにいるよ」と、安心を繰り返し伝えることが大切です。
お絵かきやごっこ遊びで気持ちを表現することもあります。
正解を求めず、「この子なりの表現」と受け止めて見守りましょう。
👦 小学生(7〜12歳)|“いい子”の仮面に注意
- 離婚の意味をある程度理解できる
- 「どうして離婚したの?」と質問することも
- 外では明るく振る舞うが、内心は不安
ケアのポイント:
小学生は「大人に迷惑をかけたくない」と、我慢してしまうことが多いです。
自分から話すのが苦手な子には、親が気持ちをシェアすることも効果的です。
「あなたのせいじゃないよ」と繰り返し伝えることも、この時期には大切です。
🧑🎓 思春期(13歳〜)|反抗や沈黙の裏にある本音
- 親の事情や社会のしくみを理解できる
- 感情はまだ複雑で不安定
- 無口になったり反抗的になったり、逆に親を心配することも
ケアのポイント:
この時期はあえてそっと見守る勇気も必要です。無関心とは違います。
「話したくなったらいつでも聞くよ」という一言が、心の逃げ場になります。
また、「家族のかたちはいろいろあっていい」「あなたがどう感じても私は味方だよ」と、新しい価値観を伝えることも大切です。
🔍 子どものSOSに気づくには
子どもは「つらい」と直接言えないことが多いです。離婚という大きな変化で、気持ちを内にため込みやすくなります。
大人が小さな変化に気づくことがとても大切です。
💡 注意したいサイン
- 急に無口になったり、ぼーっとする時間が増える
- 笑顔が減り、目を合わせなくなる
- 夜眠れなかったり、夜中に起きる
- 「お腹が痛い」「学校行きたくない」と言う
- 好きだった食べ物を食べなくなる、または食べ過ぎる
こうした変化は、心が「助けて」と叫んでいるサインかもしれません。
原因を探すより、安心できる時間を一緒に過ごすことが第一歩です。
📣 ママ・パパができること
- 「最近元気ないね、大丈夫?」とやさしく声をかける
- 「言いづらいことはノートに書いてもいいよ」と選択肢を与える
- 「今日一日どうだった?」より「うれしかったことは?」と聞く
大事なのは“心配しているよ” “あなたが気になるよ”という気持ちを伝えること。
それが子どもにとって、大きな支えになります。
🔁 専門機関に相談するのも大切
不安が続く場合は、スクールカウンセラーや地域の子ども家庭支援センターに相談しましょう。
専門家に頼ることは、親としてダメなことではありません。
子どものために最適な手段を選ぶことが愛情の形です。
📘 離婚後の生活を前向きにするために
離婚は「家族が壊れた出来事」ではなく、新しいかたちの家族のスタートでもあります。
もちろん最初はバタバタして気持ちも落ち着かないですが、少しずつルールや生活リズムを整え、子どもと一緒に安心できる時間を作っていくことが大切です。
🌼 子どもにとって必要なのは「完璧」じゃない
「ごめんね」「迷惑かけてるかな」って思う瞬間もあるかもしれません。
でも子どもにとって一番大切なのは、完璧な親よりも、自分をちゃんと見てくれる存在なんです。
失敗してもいい。イライラしても大丈夫。
ちゃんと気持ちを切り替えて、また明日も向き合おうとする姿が、子どもにとっての安心になります。
🌱 少しずつ整っていく「わたしたちの暮らし」
経済的にも、気持ちの面でも、ひとり親の生活は「がまん」が多いです。
それでも、子どもの笑顔や寝顔に救われる日もある。
そして、そんな日が1日、2日と積み重なることで、あなたの家庭だけの“安定”が形になっていきます。
周りと比べなくて大丈夫。
「わたしたちにとっての幸せ」を、少しずつ作っていきましょう。
🤝 サポートを受けることに遠慮はいらない
行政の制度、学校の先生、友人、地域のつながり…
使えるもの、頼れる人がいるなら、ありがたく「借りて」ください。
「ひとりでがんばる」が美徳ではありません。
子どもを守りながら、自分の心も守る。それが長く続く育児のコツです。
あなたが笑顔でいることこそが、何よりの支えになります。
🔚 まとめ|子どもの気持ちに寄り添うことが第一歩
離婚という出来事は、子どもにとっても大きな人生の変化です。
でも、それが「不幸」になるかどうかは、親がどれだけ心を寄せられるかで変わります。
完璧な言葉なんていりません。
「あなたのこと、ちゃんと見てるよ」「一緒に頑張ろうね」
そんな一言だけで、子どもは前を向けることがあります。
看護師として、そして母として思うのは、子どもの“こころ”の健康も、日々のケアが大切ということ。
食事・睡眠・スキンシップ・会話…その積み重ねが、未来の安心をつくっていきます。
あなたが今、ここまで読んでくれたこと自体が、子どもへの深い愛情の証です。
今日この瞬間からでも、大丈夫。
できることから、小さな一歩を踏み出していきましょう。
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