心電図モニターの波形が乱れたり、「脈が飛ぶ」と患者さんに言われたりして、ドキッとした経験はありませんか?
「不整脈」と聞くと、なんだかとても難しくて怖い病気のように感じてしまいますよね。
でも実は、不整脈は一つの病名ではなく、心臓の「リズムの異常」の総称なのです。
今回は、不整脈が起こる仕組みと、これまでに解説した「徐脈」「頻脈」との関係性、そして現場で使えるアセスメントの基本をわかりやすく解説します!
1. 不整脈ってなぜ起こるの?(心臓の電気システム)
心臓は、全身に血液を送る「ポンプ」です。このポンプを規則正しく動かしているのが、心臓の中にある「電気信号(刺激伝導系)」です。
不整脈のメカニズム
心臓の右上(洞結節)から出た電気の命令が、正しいルートを通って心臓全体に伝わることで、一定のリズムでドクン、ドクンと拍動します。
この「電気の発生」や「伝わるルート」のどこかに異常が起き、リズムが乱れてしまった状態が「不整脈」です。
2. 不整脈は大きく「3つのタイプ」に分けられる!
不整脈は、脈の「速さ」と「打ち方」によって、大きく3つのグループに分けられます。アセスメントの第一歩は、目の前の不整脈がどのタイプかを見極めることです。
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1脈が速くなる「頻脈(ひんみゃく)」
1分間の心拍数が100回以上になるタイプです。運動や発熱でも起こりますが、心臓の異常で起こる場合は急激に血圧が下がる危険なものもあります。
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2脈が遅くなる「徐脈(じょみゃく)」
1分間の心拍数が60回未満になるタイプです。電気がうまく作られなかったり、途中で途切れたりして起こります。脳への血流が減り、めまいや失神に注意が必要です。
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3脈が飛ぶ・乱れる「期外収縮・心房細動など」
本来のリズムとは違うタイミングで早く電気が起きて脈が飛ぶ「期外収縮」や、心房が細かく震えて脈が完全にバラバラになる「心房細動」などがあります。
3. 現場で使える!不整脈のアセスメントポイント
不整脈を発見したとき、モニターの波形を見ることも大切ですが、まずは以下のポイントで「患者さんにどのような影響が出ているか」を確認しましょう。
- 自覚症状の有無:「胸がドキドキする」「胸が痛い」「息苦しい」「めまいがする」といった症状がないか確認します。
- バイタルサインの変動:不整脈によってポンプ機能が落ちると、血圧が下がったり、SpO2が低下したりします。
- 直接脈に触れる(触知):モニターがない環境や、在宅での療養中などでは、手首(橈骨動脈)に触れて直接脈のリズムを確認することが非常に重要です。強さは十分か、バラバラになっていないかを指先で感じ取りましょう。
4. すぐに実践できる看護ケア
- 安全の確保(転倒予防):不整脈による脳の血流低下で、ふらつきや失神が起こりやすくなります。トイレへの移動時などは付き添いや見守りを行いましょう。
- 不安の軽減:胸の違和感や動悸は、患者さんに「心臓が止まってしまうかも」という強い不安を与えます。そばに寄り添い、状態を説明して安心させることが大切です。
- 内服薬の管理と確認:抗不整脈薬や、心房細動による血栓を防ぐための薬(抗凝固薬)などが処方されることが多いです。確実な内服ができるようサポートします。
おわりに
不整脈の看護で一番大切なのは、複雑な心電図波形を完璧に読むことよりも、「いつもと違うリズムに気づき、患者さんの全身状態から危険度をアセスメントする」ことです。
まずは「頻脈」なのか「徐脈」なのか、そして「自覚症状や血圧低下があるか」を見極めるところからスタートしましょう。
個別記事の「徐脈」「頻脈」のポイントと合わせて、ぜひ明日からの臨床に活かしてくださいね!