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看護師が教える!血圧が高い時の対処法と日常でできる予防習慣

看護師が教える!血圧が高い時の対処法と日常でできる予防習慣

「健康診断で血圧が高いって言われた…」
「最近、頭痛やめまいが気になる…もしかして血圧?」

看護師として病棟で働いていると、血圧のことで不安を抱える患者さんに毎日のように出会います。特に30代後半から50代の方は、初めて高血圧を指摘されて戸惑う方が本当に多いんです。

でも安心してください。血圧は生活習慣の見直しで改善できることがたくさんあります。
この記事では、現場で患者さんと向き合ってきた経験から、血圧が高い時の正しい対処法と、今日から始められる予防習慣をお伝えします。

【注意】この記事は医療行為の推奨ではありません。血圧が著しく高い場合や症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

血圧が高いってどういうこと?看護師が解説する基準値

まず、「血圧が高い」とはどういう状態なのか、正しく理解しておきましょう。

高血圧の診断基準

日本高血圧学会のガイドラインでは、以下のように定められています。

分類 収縮期血圧(上) 拡張期血圧(下)
正常血圧 120未満 80未満
正常高値血圧 120〜129 80未満
高値血圧 130〜139 80〜89
Ⅰ度高血圧 140〜159 90〜99
Ⅱ度高血圧 160〜179 100〜109
Ⅲ度高血圧 180以上 110以上

病棟でよく見かけるのは、「140/90くらいで初めて高血圧と診断された」という方です。
この段階なら、生活習慣の改善だけで正常範囲に戻せるケースも多いんですよ。

血圧が高いとどうなる?リスクを知っておこう

高血圧を放置すると、血管に常に負担がかかり続けます。その結果、以下のような病気のリスクが高まります。

  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血)
  • 心筋梗塞・狭心症
  • 腎臓病
  • 動脈硬化
  • 認知症

実際、救急外来に運ばれてくる脳卒中の患者さんの多くは、高血圧の既往がある方です。
「もっと早く対処していれば…」と後悔される姿を何度も見てきました。

症状がないから大丈夫って思ってた…

そう、高血圧は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれるほど、自覚症状がないまま進行します。
だからこそ、早めの対処が大切なんです。

血圧が高い時の応急対処法【看護師の現場テク】

健診や家庭で測定して「あれ?血圧が高い」と気づいた時、どうすればいいのか。
看護師として患者さんに指導している対処法をお伝えします。

①まずは深呼吸して落ち着く

血圧が高いと分かった瞬間、不安や焦りで余計に血圧が上がってしまうことがあります。
これを「白衣高血圧」と言いますが、緊張やストレスは確実に血圧を上昇させます。

【すぐできる呼吸法】

  1. 椅子に座り、背筋を伸ばす
  2. 4秒かけて鼻からゆっくり息を吸う
  3. 7秒間息を止める
  4. 8秒かけて口からゆっくり息を吐く
  5. これを3〜5回繰り返す

病棟でも、血圧測定前に緊張している患者さんには「まず深呼吸しましょうね」と声をかけています。
たったこれだけで、10〜20mmHg下がることもあるんですよ。

②静かな場所で横になる・座る

立ったまま、動いたままだと血圧は安定しません。

  • 静かで落ち着いた場所に移動する
  • 椅子に座るか、ベッドに横になる
  • 締め付けの強い服やベルトを緩める
  • 5〜10分ゆっくり休む

外来で血圧が高かった患者さんも、休憩室で10分休んでもらうと正常値に戻ることがよくあります。

③こんな時はすぐに医療機関へ

【緊急受診が必要なサイン】

  • 血圧が180/110以上ある
  • 激しい頭痛・吐き気がある
  • 胸が締め付けられるように痛い
  • めまいや意識がもうろうとする
  • 手足のしびれ・ろれつが回らない
  • 視界がぼやける・見えにくい

これらの症状がある場合は、脳卒中や心筋梗塞の前兆の可能性があります。
迷わず救急車を呼ぶか、すぐに病院を受診してください。

夜勤で何度も救急対応をしてきましたが、「様子を見よう」と我慢していた方ほど重症化していました。
命に関わることなので、少しでもおかしいと思ったら必ず受診してくださいね。

看護師が教える!血圧を下げる生活習慣7つのポイント

ここからは、日常生活で血圧をコントロールするための具体的な方法を紹介します。
実際に患者さんに指導して効果があった方法ばかりです。

①減塩は最優先!1日6g未満を目指す

高血圧対策で最も重要なのが減塩です。
日本人の平均塩分摂取量は1日約10gと言われていますが、高血圧の方は6g未満が推奨されています。

【減塩のコツ】

  • 醤油はかけずに「つける」
  • だしや酢、レモンで風味をつける
  • 加工食品(ハム・ソーセージ・練り物)を控える
  • 外食時は「塩分控えめで」と伝える
  • ラーメンの汁は残す

病棟での栄養指導で、「ラーメンの汁を飲まないだけで塩分5g減らせる」と伝えると、みなさん驚かれます。
小さな工夫の積み重ねが、確実に血圧を下げてくれます

②カリウムを積極的に摂る

カリウムには、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する働きがあります。

【カリウムが豊富な食材】

  • バナナ・アボカド
  • ほうれん草・小松菜
  • さつまいも・里芋
  • 納豆・豆腐
  • わかめ・ひじき

外来の患者さんには「朝食にバナナ1本」をおすすめしています。
手軽で続けやすいですし、実際に血圧が安定してきた方も多いんですよ。

看護師のワンポイントアドバイス

腎臓の機能が低下している方は、カリウムの摂りすぎに注意が必要です。持病がある方は必ず主治医に相談してくださいね。

③適度な運動で血管を柔らかく

運動には血管を柔らかくし、血圧を下げる効果があります。
激しい運動は逆効果なので、ウォーキングや軽いジョギングがおすすめです。

【効果的な運動習慣】

  • 1回30分以上のウォーキング
  • 週3〜5日を目標に
  • 会話ができる程度のペース
  • 階段を使う、一駅歩くなど日常に取り入れる

患者さんの中には、「毎朝30分歩くようにしたら、3ヶ月で血圧が20下がった」という方もいました。
無理のない範囲で、まずは1日10分から始めてみてください。

④アルコールは適量を守る

お酒の飲み過ぎは血圧を上げる原因になります。
適量なら血管を広げる効果もありますが、飲み過ぎは厳禁です。

【適量の目安】

  • ビール:中瓶1本(500ml)
  • 日本酒:1合(180ml)
  • ワイン:グラス2杯程度(200ml)
  • 週に2日は休肝日を設ける

夜勤明けのビールが楽しみ…という看護師仲間も多いですが、血圧が気になる方は量を意識してくださいね。

⑤質の良い睡眠を確保する

睡眠不足は血圧を上げる大きな要因です。
看護師は夜勤があるので特に睡眠リズムが乱れがちですが、できるだけ睡眠時間を確保しましょう。

【良質な睡眠のためのコツ】

  • 寝る1時間前はスマホ・PCを見ない
  • 部屋を暗くして静かな環境を作る
  • 夜勤明けは遮光カーテンでしっかり遮光
  • 就寝前のカフェインは避ける
  • 1日6〜7時間の睡眠を目標に

私自身、夜勤の多い時期は血圧が不安定でしたが、睡眠環境を整えたら改善されました。
特に遮光カーテンの効果は絶大です

⑥ストレスをため込まない

ストレスは交感神経を刺激し、血圧を上昇させます。
看護師は夜勤や人間関係でストレスが多い職業ですが、上手に発散することが大切です。

【ストレス解消法】

  • 趣味の時間を持つ
  • 友人と話す・笑う
  • 入浴でリラックス
  • 瞑想や深呼吸
  • 好きな音楽を聴く

私は休日に好きなカフェでゆっくりする時間を作るようにしています。
小さなことでも、自分なりのリラックス法を見つけることが血圧管理につながりますよ。

⑦体重管理も忘れずに

肥満は高血圧の大きなリスク要因です。
BMI(体重kg÷身長m÷身長m)が25以上の方は、減量を目指しましょう。

【無理のないダイエットのコツ】

  • 1ヶ月で1〜2kgのペースで減量
  • 食事は腹八分目を意識
  • 間食を控える
  • 夜遅い食事を避ける
  • 食事記録をつけて意識する

体重が5kg減っただけで、血圧が10以上下がる方もいます。
急激なダイエットは体に負担がかかるので、ゆっくり確実に減らしていきましょう。

家庭血圧測定のススメ【正しい測り方と記録のコツ】

高血圧の管理には、家庭での血圧測定が欠かせません。
病院で測る血圧よりも、毎日の記録の方が正確な状態を把握できるんです。

正しい血圧測定のポイント

  1. 測定タイミング:朝起きて1時間以内・夜寝る前
  2. 測定前に:トイレを済ませ、5分間安静にする
  3. 姿勢:椅子に座り、背もたれに背中をつける
  4. 腕の位置:心臓の高さに合わせる
  5. 測定回数:1回の測定で2〜3回測り、平均値を記録
  6. 記録:測定日時・血圧値・体調をメモ

看護師のワンポイントアドバイス

家庭用血圧計は「上腕式」がおすすめです。手首式は測定位置がずれやすく、誤差が出やすいんです。オムロンやテルモなど、信頼できるメーカーのものを選びましょう。

血圧手帳をつけよう

毎日の血圧を記録することで、自分の血圧パターンが見えてきます。

  • どんな時に血圧が上がるのか
  • 生活習慣の改善が効いているか
  • 病院での診察時に正確な情報を伝えられる

スマホアプリで管理するのも便利ですよ。グラフ化されるので、変化が一目で分かります。
患者さんにも「記録することで意識が変わった」と好評です。

薬に頼る前にできること【看護師の本音】

高血圧の薬は、もちろん必要な方には絶対に必要です。
でも、生活習慣の改善だけで薬が不要になった患者さんも、実際に何人も見てきました

薬は一度飲み始めたら一生やめられないって聞いたけど…

たしかに、薬でコントロールしている方が多いのは事実です。
でも、生活習慣を改善して血圧が安定すれば、医師の判断で減薬や中止になることもあります。

大切なのは、自分でできることを先にやること
減塩、運動、睡眠、ストレス管理…これらを続けても改善しない場合は、薬の力を借りるのも正しい選択です。

看護師として伝えたいのは、「薬を飲むこと=悪いこと」ではないということ。
むしろ、放置して合併症が起きる方がずっと怖いんです。

主治医とよく相談しながら、自分に合った治療法を見つけてくださいね。

まとめ:血圧管理は毎日の小さな積み重ね

血圧が高いと言われたら、不安になるのは当然です。
でも、今日から行動すれば、血圧は必ず改善できます

【今日からできること】

  • 減塩を意識する(まずはラーメンの汁を残すことから!)
  • 朝食にバナナを1本プラス
  • 1日10分のウォーキング
  • 家庭血圧計で毎日記録
  • 深呼吸でリラックス

看護師として多くの患者さんを見てきて思うのは、「知っている」と「やっている」は全く違うということ。
この記事を読んで「なるほど」で終わらせず、今日から1つでも実践してみてください。

血圧管理は一生続くものですが、慣れてしまえば自然にできるようになります。
無理せず、自分のペースで、健康な体を作っていきましょう。

最後に

血圧が著しく高い場合や、症状がある場合は必ず医療機関を受診してください。この記事は一般的な情報提供であり、個別の医療アドバイスではありません。持病のある方、お薬を飲んでいる方は、必ず主治医に相談しながら生活習慣を見直してくださいね。

あなたの健康を、心から応援しています!

 

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