モニターから鳴り響く「ピピピピ!」という頻脈のアラーム。新人ナースや学生さんは、心拍数が120、130と上がっていくのを見て「どうしよう、早く先生を呼ばなきゃ!」と焦ってしまうことも多いですよね。
実は、頻脈には「すぐに対処が必要な危険なもの」と「体からのSOSサインとして起こっているもの」があります。
今回は、現場で慌てないための頻脈のアセスメントと、看護のポイントをわかりやすく解説します!
1. 頻脈ってどんな状態?
一般的に、心拍数が1分間に100回以上になった状態を「頻脈」と呼びます。
頻脈が続くとどうなる?
心臓が速く打ちすぎると、血液を心臓に十分に溜める時間がなくなり、逆に全身に送り出せる血液の量(心拍出量)が減ってしまいます。その結果、血圧が下がったり、心臓自体が疲れて「心不全」を引き起こす原因にもなります。
2. 頻脈の原因は「不整脈」だけじゃない!
モニターが頻脈を示したとき、すぐに「心臓の病気だ!」と思うかもしれませんが、実は心臓以外に原因があることも非常に多いです。
【心臓以外が原因の頻脈(二次性)】
体が「もっと血液(酸素)が必要だ!」と頑張っている状態です。
- 発熱・感染症(体温が1度上がると心拍数は約10回増えます)
- 脱水・貧血・出血(足りない血液を回数でカバーしようとします)
- 痛み・不安・ストレス(交感神経が優位になります)
一方で、心臓の電気信号の異常で起こる「心房細動(Af)」や、急変に直結する「心室頻拍(VT)」「心室細動(VF)」などの危険な不整脈もあります。
3. 現場で焦らない!アセスメントの3ステップ
頻脈のアラームが鳴ったら、まずは落ち着いて以下のステップで患者さんを観察しましょう。
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1患者さんの全体像とバイタルサインの確認
一番大切なのは「患者さんの状態」です。意識はあるか、胸の痛みや動悸(ドキドキする感じ)、息苦しさはないかを確認します。
同時に、血圧が下がっていないか、SpO2が保たれているかを測定します。血圧低下を伴う頻脈は、緊急度が高いサインです。
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2「なぜ頻脈になっているか」を探る
熱はないか(発熱)、おしっこは出ているか(脱水)、どこか痛がっていないか(疼痛)など、上記で挙げた「心臓以外の原因」がないかを探ります。
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3モニター・心電図の波形をチェック
波形のリズムが「規則正しい」か「バラバラ(不規則)」かを確認します。バラバラで頻脈の場合は、心房細動(Af)などの不整脈の可能性が高いため、医師に報告して12誘導心電図をとる準備をします。
4. 頻脈に対する看護ケア
原因に合わせた対応が必要ですが、基本的な看護ケアは以下の通りです。
- 安静の保持とバイタル測定:
動くとさらに心臓に負担がかかるため、まずはベッド上で安静にしてもらい、急激な血圧低下がないかこまめに観察します。 - 苦痛の緩和(原因へのアプローチ):
熱があればクーリングや解熱剤の検討、痛みがあれば鎮痛剤の使用など、頻脈の「原因」を取り除くケアを行います。脱水が疑われる場合は、医師の指示のもと輸液などを管理します。 - 不安の軽減:
「ドキドキして苦しい」という症状は、患者さんに強い不安を与え、それがさらに心拍数を上げる悪循環を生みます。そばに寄り添い、落ち着いた声かけをすることが重要です。
おわりに
頻脈のアラームが鳴るとドキッとするかもしれませんが、「まずは患者さんの状態を見る」「血圧を測る」という基本を忘れなければ大丈夫です。
「心不全」や「徐脈」の記事でも解説したように、モニターの数字だけでなく、目の前の患者さんのサインを見逃さないアセスメント力を一緒に磨いていきましょう!
頻脈から心不全に移行することもあるので、こちらの記事も合わせて読んでみてくださいね。